Long-tailed Sylph
アオフタオハチドリ
Aglaiocercus kingii
この美しいハチドリのオスはひじょうに長く伸びた尾羽をもち、その長さはゆうに全長の半分以上を占める。からだの羽は光沢のある緑色で、のどにはさまざまな形をした青い斑のついた緑色の羽がある。メスは斑点のある白いのどと、オレンジ色の腹をしている。尾羽の色は6つの亜種によって、緑色、青紫色、その組み合わせとさまざまで、いちばん外側の尾羽はたいていゆるやかに上向きに反っている。くちばしは短く、インガなど花冠が短く樹冠に咲く花を訪れ、ときに花に穴をあけて蜜を抜きとる。巡回して採餌するときもあるが、よい花の群落があればそこをなわばりとして占領することもある。オスはディスプレ
イの中で儀式化した巣づくりの動作をすることが観察されてきたが、実際の巣は他のハチドリ同様、メスが単独でつくり、ドーム形をした巣はメスが年間を通じてねぐらとして陣取ることもある。季節により標高を上下する渡りを行う。生息域の大部分の場所ではひんぱんに見られるが、その数は減少している。
分類
ミドリフタオハチドリ亜科
分布
亜種kingi: コロンビアの東アンデス山脈
margarethae:ベネズエラ北部から
中部にかけてと沿岸地域
caudatus:ベネズエラ西部、コロンビア北部
emmae:コロンビア北部の中央アンデス山脈、
コロンビア南部の西アンデス山脈、
エクアドル北西部
mocoa:コロンビア南部の中央アンデス山脈、
エクアドル、ペルー北部
smaragdinus: ペルーとボリビア中西部の
東アンデス
生息環境
標高900~3,000mの森林の林縁、低木地、
まばらな林、庭園、農園
大きさ
全長9.5~19cm、体重5~9g
保全状況
低懸念(LC)
美しいハチドリ図鑑
グラフィック社
より