Green-fronted Lancebill
ミドリビタイヤリハチドリ
Doryfera ludovicae
比較的小型の、暗い色をしたハチドリ。ひじょ
うに長くやや上向きに反ったくちばしは、上
から垂れ下がって咲く長い花の内部に差し入
れるために発達したもの。名前は額の光り輝
く緑色からきている。メスの羽色はやや明る
く、オスほど鮮やかではない。
2亜種、ludovicae
とより小型のveraguensis が知
られているが、後者ではオスとメス
の差がよりはっきりしている。山地の湿
潤な森の中にすみ、樹冠のすぐ下で採
餌し、主に長い花冠をもつプサ
ミシアなどの着生植物の花か
ら蜜を得る。巡回型の採餌行
動をとるが、オスはときに好
みの花の群落を守ってなわばり
をつくることもある。水上で飛び
ながら虫を捕え、植物にいる昆虫を捕
にする。巣は大ぶりのカップ形または円筒
チで、谷間の日陰のくぼみに突き出た葉や根
を上台につくることが多い。孵化には19日、
巣立ちまでは最低25日かかり、巣立ちした
ばかりの若鳥は、やや灰色がかった地味な色
をしている。
分類
マルオハチドリ亜科
分布
亜種ludovicae:バナマ東部からコロンビア、
ベネズエラ西部、ボリビア北西部
veraguensis:
コスタリカ中・北部からパナマ西部
生息環境
標高750~2,600mの雲霧林を中心に
生息し、繁殖期以外は500m以下まで
下りることも
大きさ
全長11~13cm、体重5.5~6g
保全状況
低懸念 (LC)
美しいハチドリ図鑑
グラフィック社
より